井上雅彦さんの事


初めてお会いしたのは、もう五年以上も前の事になります。
斎藤肇さんに連れて行ってもらった「Aんi」(同人誌)の例会でお会いしたんですが、その時の印象は「変な人」。
この場合の「変」は褒め言葉です。
ぱっと見は、彫りの深い甘いマスクで、どこぞの雑誌でモデルさんでもやっているのでは?と思うくらいの、同性から見ても「いい男」さんでした。それが…
しゃべると違うんです。
それが生来の物なのか、ギャグと意識させないギャグのような物が、次から次へと波状攻撃を仕掛けてきます。
同じ例会の場にいたYくんと云う人との会話が、それはもう絶妙というかなんというか。
ビデオを廻したライブをお届けしたいくらいの出来。
この日から、井上さんは「変な人」、と云う分類が私の中で、深く静かになされました。そして今でもそれは変わっていません

本屋巡りは私の以前からの趣味ですが、新書版のコーナーで見かける背表紙でお名前だけは知っていました。
当時は翻訳物のミステリに興味の大半がありましたので、ファンタジーっぽい邦人の作家さんは(数が多く出ていた事もあって、十把一絡げに)パスしていました。
しかし。
この「変な人」はどういう話を書くのだろう?
で、目に留まった『ディオダディ館の夜』(徳間書店)を買って読みました。
作家・井上雅彦は、彼の書く物であればなんでも、とりあえずは読んでみようと云う対象になりました。

最近は、私が「Aんi」の例会に出ていないので、あまりお会いできていません。
またお目にかかりたいと思っています。
100yenライターをお預けしたままになっていますし…


全作書き下ろしによるホラーアンソロジー『異形コレクション』の編者

代表作は『竹馬男の犯罪』
井上雅彦個人としての最新作は『異形博覧会2』


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